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ミラノ便り No.4

クリスマスの食卓

ミラノのドウオーモから地下鉄に乗り20分弱。我が家にたどり着くために地下鉄の駅から外に出ると、一面の霧・・・。 霧はミラノの冬のシンボル。その昔、シエナに住んでいた私に、1ヶ月間のミラノ生活を終えて戻ってきた日本人の友人が言った言葉を思い出す。

「ミラノなんて人の住む所じゃないわ。霧が1日中立ち込めていて憂鬱な街。気分まで暗くなる。」

そんな街でも15年も住んでいるとこの霧にさえ愛着がわくというもの。最初はいやだったけれど、今では冬この霧に包まれると、神秘的な気分になってくるほど。

街はクリスマスのイルミネーションで輝きを増し、人々はクリスマスのプレゼントの買占めに街へ繰り出す。

イタリア各地に有名な食肉牛が存在しますが、地元フィレンツエ近郊で有名なのはキァニーナ牛です。キァニーナ渓谷やテーヴェレ渓谷あたりが原産の全身が真っ白の牛です。

この牛はローマ帝国時代にすでに知られていたと言われるくらい、イタリアで古くから存在する評価の高い種類です。ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナを堪能するなら、このキァニーナ牛です。

世界で一番大きく成長する牛としても知られていますが、なんと言ってもばら色の肉の柔らかさと素晴らしい赤身ならではのデリケートな味わいが売り物です。

クリスマスはイタリア人の食卓がいっそう豪華になる日でもある。

こちらではクリスマスは家族親戚と家庭で、大晦日は友人とレストランで食事をするのが通常である。

というわけで、ミラノでクリスマスに営業しているレストランは通常の5%に満たないと思う。

宗教的な理由から、クリスマスイヴは肉を食べず、野菜、魚を食べるのが一般的である。そして、クリスマスの昼食は肉料理が中心になる。

5キロ離れたら料理が異なると言われるほど、地方色が強いイタリアなので、クリスマス料理が何か、と決め付けるのは簡単ではないけれど、アンティパストにはサラミや生ハム類は欠かせない。ミラノの南西のモルターラ名物、ガチョウのサラミもぜひ加えたい。

プリーモはリゾットも良いけれど、作りおきできないので主婦には気の毒。となるとカッポーネのダシのきいたスープにトルテッリを入れるのが伝統的かもしれない。カッポーネは去勢した雄鶏で、脂がのっていてスープにしてもいいし、肉はメインで食べても最高である。

トルテッリは、子供も一緒に、楽しくおしゃべりしながら家族総勢で作る家庭もある。お腹に詰め物をしたカッポーネもいいけど、ターキーも人気があるし、イタリアの地元産の牛肉、秋に実ったドングリを食べてさらにうまみの増したポークも捨てがたい。鹿や野鳥も食通には楽しみの一つである。空を飛ぶ野鳥は、その昔、ほかの動物より、より天に近い(神様の近く)ところで生活しているという理由で、高く評価されていた。

そして、デザートはミラノ生まれのパネットーネ!

15世紀、ミラノの城主スフォルツァ家の時代にはすでに存在していたと言われる。当時は今のように高く膨らんではなく、パンだねをもとに作った背の低いお菓子で、砂糖はなかなか手に入らなかったので、甘味をつけるためにドライフルーツを加え、表面に切れ目を入れ発酵させたものであった。切れ目はキリスト生誕を祝うために、十字架の形にしたのである。

このパネットーネにかかせないのは、アスティスプマンテ。モスカート(マスカット)から作った発泡性の甘いワインでアルコール度も低いので子供達も一緒に飲める。

長い昼食が終わると、皆が待ちに待ったプレゼントの交換。

すでに、外は暗くなり始めている・・・

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