イタリアの食事はパスタの存在が大きいせいか、同じ粉を主原料にするパネはあまり注目されていない気がします。パスタもさる事ながら、同じくらい地方性が出るのがパネです。
以前は電車の旅が多かった私は、イタリアへ行くと必ずローマに入り1泊しました。次の日の朝食には、バラ をかたどったロゼッタという名のパンが必ず出ます。それを味わうと「あ〜イタリアに来たんだ!」っと思ったものです。中が空洞で外側のパリパリ感はジャムやチョコレートペーストのようなドルチェ(甘味)にもチーズやサラミなどのサラート(塩味)にも合います。組み合わせを変えれば2〜3個軽く食べられます。
他にも、ナポレオンの小枝と呼ばれるトリノのグリッシーニ、今では日本でお馴染みのリグーリアのフォッカチャ、ロゼッタに似たミラノのミケッタ、トスカーナの塩無しのパネショッコ、プ−リアのパネプリエーゼやスナックのようなタラッリ、シチリアのゴマパン、サルデニアの薄焼きのカラザウ、白い小麦が貴重なアルプス近郊では黒パンも見かけました。
このようにパネは地方性が豊かに出ている物ばかりで、それぞれの土地の食文化の深さを感じさせてくれるのです。 そして、どのパネも日本のパンの様に形や焼き色が均一なわけではありません。ふかふかの弾力感のあるものにもあまりお目にかかれません。イタ リアのパネは不格好で噛む程味わいのある素朴な物ばかりです。ただ、その地方の郷土料理との相性は抜群で、脇役でありながら主役のパスタやメイン料理を十二分に引き立ててくれます。 |
ローマのロゼッタ

トリノのグリッシーニ

サルデニアのカラザウ
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